【ニューヨーク=池松洋】米ゼネラル・モーターズ(GM)とクライスラーが20日、カナダ政府に経営再建計画を提出し、追加の資金支援を求めた。米メディアによると、両社合計の支援要請額は、80億カナダ・ドル(約6000億円)という。資金難に苦しむGMは、欧州やアジアでも各国政府に支援を仰ぐ方針だ。
カナダ政府と、両社が進出するオンタリオ州政府は昨年末、両社に対して計40億カナダ・ドルの資金支援を行う方針を発表したが、さらに大幅に積み増して要請した。
事業の継続に必要な手持ち資金の急速な減少に苦しむGMとクライスラーは17日、米政府に対して計216億ドル(約2兆円)の追加支援を要請した。
GMは、カナダのほか、英国、スウェーデン、タイ、ドイツ、韓国の政府にも支援を要請しているという。
ただ、各国政府の間では、資金支援の効果や再建の可能性について疑念も広がっている。スウェーデン政府はGM子会社のサーブに対する資金支援を拒み、サーブは20日に経営破綻した。韓国政府もGM子会社の小型車メーカー大宇に対する支援には、否定的だという。
米政府は3月末までにGMへの追加支援の是非を決断するとみられるが、各国政府の対応は米政府の判断にも影響を与えそうだ。
20日のニューヨーク株式市場では、GM本体も破綻に追い込まれる可能性が高いとの悲観論が広がり、GM株は一時1・52ドルまで下落し、1934年以来、約75年ぶりの安値を付けた。
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20090221-OYT1T00791.htm