【北京=佐伯聡士】アジアを歴訪している米国のクリントン国務長官は21日、北京で楊潔チ(ようけつち)外相との会談後、共同記者会見し、ブッシュ政権下で始まった閣僚級の経済対話の枠組みを、安全保障や政治、地球規模の問題も含む「戦略・経済対話メカニズム」に拡大することで原則合意したことを明らかにした。(「チ」は竹かんむりに「褫」のつくり)
安保分野の対話はクリントン長官が、経済分野はガイトナー財務長官が担当する。
クリントン長官は同日午後、胡錦濤国家主席、温家宝首相、戴秉国(たいへいこく)・国務委員とも相次いで会談した。中国中央テレビによると、胡主席は「21世紀の中米関係は世界で最も重要な2国間関係のひとつ」と強調した。クリントン長官も、「米中関係は積極的協力の新たな時代に入った」と語り、オバマ政権下で協力を強化する意向を表明した。
外相会談では、4月の金融サミットの際に行う初の首脳会談を準備するため、楊外相が3月に訪米することや、気候変動問題で定期協議を行うことも決まった。クリントン長官は会見で、中国が米国債を大量に保有していることに「深い感謝」を表明した。