【イスラマバード=酒井圭吾】パキスタン地元各紙は21日、同国北西部の政府直轄部族地域の「パキスタン・タリバン運動(TTP)」など、アフガニスタンの旧支配勢力タリバンと関係を持つイスラム過激派3組織が合併することで合意したと報じた。
オバマ米政権が、テロ組織掃討でパキスタンとの協力強化を進める中、対米抗戦のための共闘で、TTP以外の2組織と和解交渉を進めていたパキスタン政府は戦略の見直しを余儀なくされる。
地元紙によると、3組織は北ワジリスタン、南ワジリスタン両地区が拠点。TTPは、アフガンから流入するウズベキスタン人戦闘員を重用し、外国人に不信感を抱くパキスタン人主体のほかの2組織と反目していた。政府は昨年から、この2組織と停戦協定を締結するなど分断工作を進めていた。地元紙ニューズは「米軍の無人偵察機による空爆が部族を刺激した」と分析している。