原爆症認定の海外からの申請を実現するため、在外被爆者と支援者らが訴訟を検討していることが20日、分かった。在ブラジル被爆者手帳訴訟の控訴審口頭弁論が広島高裁であり、閉廷後の報告集会で支援者らが言及した。
在外被爆者を支援している田村和之・龍谷大法科大学院教授が「具体的にはまだだが、新しい裁判をやらないといけないという気持ちでいる」と述べ、提訴に前向きな姿勢を示した。
原爆症の認定基準は緩和され、法改正で被爆者健康手帳の海外からの申請が実現したが、原爆症の認定申請には来日要件が残る。
17日にあった超党派の国会議員でつくる「在外被爆者に援護法適用を実現させる議員懇談会」で、米国、韓国、ブラジルの被爆者が海外からの申請を認めるよう要望。厚生労働省側は「在外公館などと協力体制を検討している」と述べるにとどまっていた。