ソマリア沖の海賊対策で海上自衛隊呉基地が母港の護衛艦が派遣されるのを前に、海自隊と海上保安庁の初の合同訓練が20日、呉市沖であった。約250人が参加し、日本の商船に接近する海賊船への対応や海賊を拘束した際の役割分担などを確認した。
派遣される護衛艦のさざなみ、さみだれからは両艦が所属する第八護衛隊の五島浩司司令ら約15人、司法警察権を持つ海上保安官は約20人が訓練用の護衛艦たかなみに乗艦。特殊部隊「特別警備隊」も参加した。
日本船籍の商船から救援要請を受けたケースは、海自が無線などで海賊船へ進路の変更を呼びかけ、商船との間に割って入って追い払った。哨戒ヘリコプターも警戒。海上保安官はビデオなどで記録した。海賊が日本人乗組員にけがを負わせたケースでは、海自隊員が投降した海賊を拘束、船上で引き渡しを受けた海上保安官が現行犯逮捕した。
【写真説明】護衛艦たかなみの艦上で、海自隊員から引き渡しを受けた海賊役の男を逮捕する海上保安官