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2009年02月21日(土) 23時18分

安保も閣僚級戦略対話 米中外相が原則合意中国新聞

 【北京21日共同=出口朋弘】クリントン米国務長官は二十一日、アジア歴訪最後の訪問地、北京で中国の楊潔〓よう・けつち外相と会談後に共同記者会見し、両国間の閣僚級の対話枠組みとして、これまで実施してきた経済分野に加え、今後は政治・安全保障問題を扱う戦略対話も開催していく方針で原則合意したと発表した。

 米側は、安保分野の戦略対話をクリントン長官が、経済対話をガイトナー財務長官が担当。経済分野では二〇〇六年から閣僚級の「米中戦略経済対話」が開催されてきたが、安保面でも閣僚レベルの協議の場ができることで、米中協力の範囲が拡大する。

 新華社によると、長官は同日午後の胡錦濤こ・きんとう国家主席との会談で「米中が積極的な協力をしていく新たな時代が始まった」と強調。四月にロンドンで開催される二十カ国・地域(G20)首脳会合(金融サミット)の際、米中首脳会談に臨む胡主席は「米中は世界で重要な影響力を持っている国だ」と指摘。関係発展を推進する考えを示し、オバマ大統領の早期訪中を要請した。

 クリントン長官は外相会談で、懸案の人権、チベット問題、信教・表現の自由など「米中間で見解の相違がある分野でも率直に話し合った」と説明。楊外相は「(米中間の)人権対話もさらに進める」と応じた。また「対テロや核不拡散、軍事面での交流を発展させる」と述べ、米側との対話を拡大する構えだ。

 気候変動問題でクリントン長官は、クリーンエネルギー開発や温室効果ガスの抑制に向け「重要な協力関係」を築き上げると意欲を表明。「米中関係が建設的で、協力的であることが不可欠」だとした。地球規模の同問題で両国が定期協議を開催することも決まった。

 長官はまた「米中両国が協力して世界経済の復興を先導すると信じるに足る理由がある」と述べ、経済危機に両国が協調して対処する方針を確認。楊外相は米国の大型景気対策を高く評価する一方、各国で高まる保護主義に「断固反対すべきだ」と述べた。

 長官は二十一日午後、戴秉国たい・へいこく国務委員、温家宝おん・かほう首相とも相次いで会談した。

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http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200902210318.html