広島市教委は市立小中学校のすべての普通教室にエアコンを導入する方針を決めた。広島県内では初めて。夏期の室温が国の最適基準を大幅に上回るためで、学習環境の改善には必要と判断した。新年度はまず7校に設置し、10年かけて全校に配備する。
普通教室とは理科室や家庭科室など実習用を除く大半の教室で、市内の計204校のうちエアコンがあるのは騒音対策で授業中に窓が開けられない6校だけ。市教委は残る198校と新年度に開校する1校について、普通教室と図書室、コンピューター室の約3800室に約61億円かけて配備する。
新年度一般会計予算案には2億4600万円を計上し、27校で設計に着手する。うち吉島小(中区)向洋新町小(南区)石内小(佐伯区)五日市観音西小(同)城山北中(安佐南区)東原中(同)城山中(佐伯区)は、新年度中に設置する計画だ。
市教委は昨年、教室の室温調査を実施。7月下旬の全校平均は国の最適基準(25.0—28.0度)を大幅に上回る32.2度だった。この結果を受け、校舎の耐震化を終えて基準を上回った日数が多かった学校から配備していく。冷房の設定温度などの統一ルールも作成する。