富山県滑川市は20日、市発注の下水道工事を巡る談合事件に関与した市内17社の指名停止処分を、「景気悪化」を理由に解除した。
中屋一博市長は「市民のことを考えた苦渋の決断」としている。
発表によると、2007年の市発注工事4件で談合を行ったとして、17社の幹部が競売入札妨害罪で起訴され、昨年8月、執行猶予付きの有罪判決が確定。市は昨春、事件の摘発を受けて各社を15〜12か月の指名停止処分にしていた。
しかし、市内には下水道業者が18社しかなく、08年度の市の公共工事をほとんど市外の業者が落札。市は、今回の景気悪化を、要領で定める期間変更要件の「特別な事由」に当たるとして、最大約5か月の処分期間を残して解除した。
五十嵐敬喜・法政大教授(公共事業論)は「市内経済の回復を名分に、執行猶予中に処分を解除する例は聞いたことがない。全国の自治体でなし崩しに解除が行われないか、注視が必要だ」と指摘している。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090220-OYT1T01079.htm