滋賀県長浜市で2006年2月、幼稚園児2人が登園中に刺殺された事件で、殺人罪などに問われた中国籍の鄭永善(ていえいぜん)被告(37)の控訴審判決が20日、大阪高裁であった。
森岡安広裁判長は無期懲役(求刑・死刑)とした1審・大津地裁判決を支持し、検察、弁護側双方の控訴を棄却した。鄭被告は出廷しなかった。
刑事責任能力の有無や程度が最大の争点となった。
森岡裁判長は1審判決が支持した「統合失調症の影響で責任能力が著しく減退していた」とする精神鑑定を合理的と認定し、1審判決同様、「犯行当時、心神耗弱状態だった」と結論づけた。
判決によると、鄭被告は、自分の子どもがいじめられていると思いこみ、06年2月17日、長浜市相撲(すまい)町の農道に止めた乗用車内で、市立神照(かみてる)幼稚園児だった武友若奈ちゃんと佐野迅(じん)ちゃん(ともに当時5歳)の胸などを刺し身包丁で20回以上刺し、殺害した。
大阪高検は「主張が認められなかったのは遺憾。判決を十分検討して対処したい」とコメント。弁護人は「上告するかどうか本人と相談したい」としている。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090220-OYT1T00684.htm