東京ドームで開催中の「世界らん展」に、がんで昨年5月に67歳で亡くなるまで新品種の開発を続けたミニコチョウランの第一人者、高木浩二郎さんの遺作が展示されている。
会場のシンボルタワーの足元を彩る5センチくらいの白、紫、ピンクの150株。今年1月に初開花したもので、仲間と準備した同展幹事・高橋昌美さん(41)は「先輩が見届けることができなかった最後の作品を多くの人に見てもらいたい」と話す。
東京農大卒業後、米国でラン栽培を学んだ高木さんは、帰国後、新品種の開発に取り組んだ。約20年前、国内で先駆けてミニコチョウランを手がけ、代表作の「なごり雪」(2004年種苗登録)や「しゅうめい華」(05年登録出願)は、手軽に家庭で育てられる鉢植えとして人気があるという。
シンボルタワーに飾られた花は、05年秋から06年春に交配を重ねた。07年8月に末期の肺がんで余命2か月と宣告され、抗がん剤を投与しながら、山梨県北杜市にある農園で栽培を続けたという。22日のらん展閉幕後、株は仲間と分けるという。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090220-OYT1T00592.htm