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2009年02月20日(金) 12時06分

病院並ばず診療予約、消防署に受付端末…秋田・由利本荘読売新聞

 秋田県由利本荘市は、市中心部にある3総合病院の診療予約ができる受付端末を、市内7か所の消防署などに設置する方針を決めた。

 遠方の外来患者が早朝から病院の受付に並ぶ必要がなくなり、利便性が大幅に向上する。厚生労働省では「全国的に例のない取り組み」としている。

 このシステムに参加するのは、由利組合総合、本荘第一、佐藤の3病院。由利本荘市は2005年3月に本荘市と周辺7町が合併して誕生。3病院とも旧本荘市の中心部にあり、離れた地区からは車で1時間以上かかる。例えば、本荘第一病院の診療は午前8時半からだが、受け付けを開始する午前6時半に数十メートルの患者の列ができる。この時間に並んでも、実際に診療を受けるのが午後になってしまうこともあるという。

 新たなシステムは、旧7町の消防署や消防分署に設置された端末に患者が診察券を入れると診療予約ができ、受付番号が印字される仕組み。受付番号は、患者が病院へ行く時間の目安になる。病院が受け付けを始める早朝に対応できるよう、職員が24時間常駐している消防署を選んだ。受付端末を、市営老人介護施設に設置する案も検討している。

 市は病院や消防署などと調整を急ぎ、今年秋にもスタートさせたい意向。受付端末は設置費を含め1基当たり300万円、通信費と保守点検費は1基当たり年間90万円と試算している。

 18日、本荘第一病院で骨粗しょう症の検査を受けた市内の長谷山タミさん(70)は「自宅近くで受け付けができるようになれば、診療を受けるまで畑仕事ができる」と話していた。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090220-OYT1T00284.htm