静岡市葵区の藁科(わらしな)川で2006年8月、小学4年の朝比奈秀和君(当時10歳)が、治水用コンクリートブロックのすき間にはさまり死亡する事故があり、防止策に不備があったとして、両親が河川管理者の国を相手取り約6755万円の損害賠償を求めた訴訟は20日、国側が謝罪しないことなどを条件に両親に2800万円を支払うことで、静岡地裁で和解が成立した。
訴状などによると、06年8月13日、川に遊びに来ていた朝比奈君は、水流調整などをする二つのブロックの間にできたトンネル状のすき間(縦40センチ、横40センチ)に吸い込まれ、同11月に死亡したという。
この事故の6日前、同じ場所で別の男児がブロックと石の間にはさまる事故があり、国土交通省静岡河川事務所が石を詰めたネット状の袋をブロックの上に載せてすき間をふさいだが、朝比奈君はトンネル状のすき間に吸い込まれた。
両親側は国に対し、〈1〉最初の事故後、職員を配置して危険を知らせるなど安全を確保すべき義務があった〈2〉ネット状の袋をブロックの上に置いたためにブロックとブロックの間のすき間が排水口のようになり、急激に水が流れ込み危険を増幅させた——などと主張。国側は「川を利用する場合、危険回避は原則として利用者の責任」などとしていた。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090220-OYT1T00420.htm