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2009年02月20日(金) 11時03分

不正経理ぞろぞろ、自己申告では「なかった」のに…熊本県読売新聞

 熊本県は20日、2003〜08年度に、知事部局の約3分の1にあたる97部署に県教育委員会や県警を加え、計115部署で約1億86万円の不正経理が確認されたことを明らかにした。

 県は私的流用の有無を調べ、3月に再発防止策をまとめる。今後、知事給与のカットや職員の処分、公金の返還などを検討する。

 同日午前の県議会決算特別委員会で蒲島郁夫知事が公表した。内訳は知事部局約9447万円、県教委が17部署約634万円、県警が1部署約5万円。

 このうち、裏金は、業者の口座に代金をプールする「預け」と呼ばれる手口で捻出(ねんしゅつ)しており、知事部局と県教委の21部署で計約2220万円に上った。コピー用紙を一括で買ったようにして業者に代金を支払い、実際は必要な数だけを定期的に納めさせるなど、ほとんどが文具などの消耗品の購入に充てられていたが、中には目的外のデジタルカメラなどの備品もあった。

 注文とは異なる品物を業者に納入させる「差し替え」は、知事部局では94部署で計約7468万円に達した。文房具などの消耗品名目でキャビネットやテーブルを購入するなどの例があった。

 県は、「預け」について「余った予算を翌年度に回したいとの考えが背景にあった」とした。「差し替え」については、「早急に備品が必要な場合に正規の手続きでは時間がかかるため、手続きが簡単な消耗品名目で買った」とみている。

 蒲島知事は昨年8月、自己申告制による全庁的な裏金調査を実施し、「確認されなかった」との調査結果を公表した。しかし、同11月、会計検査院の調査がきっかけで自然保護課で06、07年度に計114万円の裏金を作っていたことが発覚。これを受け、県は調査委員会を設け、納品書などが残っている03年度以降の6年間について再調査していた。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090220-OYT1T00390.htm