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2009年02月20日(金) 00時00分

佐世保市のHTB支援4500万円に条件読売新聞

 経営再建中の佐世保市のハウステンボス(HTB)が、場内のホテル1館を休館し、従業員を一部削減する方針を固める中、同市議会は19日、臨時会を開き、HTBへのイベント補助費4500万円を含む約52億4300万円の一般会計補正予算案を審議した。議案審議を付託された同議会企業経済委員会ではHTBの経営に関する意見が相次ぎ、議案承認の条件として、20日の記者発表でリストラ案が示された場合、市がHTBにリストラ撤回を申し入れるよう要求。市側は条件を受け入れた。(井手祥雄)

 事業は、国の「地域活性化・生活対策臨時交付金事業」を活用し、HTBが計画している「国際花火フェスティバル」(3150万円)、「ローズフェスティバル」(1350万円)を補助する内容。不況による観光業界への影響を抑えることが目的で、4万人の集客を目標にしている。

 委員会では、議員から「経営状況が分からない中で、税金を投入することはできない」「記者発表を待って3月の定例会で出し直してはどうか」といった意見が出た。市側は、今回の問題が発覚する前から、HTBの韓国人客の減少などへの対応策を協議していた経緯を説明。「HTBへの支援は市内の観光業全体への波及効果が大きい」とし、理解を求めた。またリストラについては「説明はあったが細部について報告を受けていない。経営状況も記者発表まではっきりしたことは分からない」として、明言を避けた。

 議員は「辻産業の破たん以降、市が雇用を確保しようとしているにもかかわらず、離職者を生み出す企業は支援できない」として、リストラへの対応を要請。急きょ、同市の緊急経済雇用対策本部長である川田洋・副市長が出席。「『雇用を守ってほしい』と必要な申し入れは行う。それでも失業者が出た場合、市として再就職の道を探していく」と述べ、市の対応を表明した。

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/nagasaki/news/20090220-OYT8T00148.htm