経済的な理由で授業料の減免措置を受ける公立高校生が増えている。県教委によると、措置を受ける県立高生の割合(減免率)は2007年度12・2%(全日制)で、過去10年間で最も高く、全国8位。昨秋からの不況の影響でさらに増えることが予想される。
■高減免率の九州・山口
九州、山口、沖縄各県の公立高(全日制)の授業料は月額9600〜9900円。各教委は、生活保護受給家庭や母子家庭、親が突然職を失い収入が途絶えた家庭など、各県条例の要件を満たす家庭からの申請を受け、授業料の全額(一部半額)免除を行っている。
文部科学省によると、昨年度の公立高校授業料減免率の全国都道府県の平均は9・6%で前年度からほぼ横ばい。しかし、九州・山口の減免率は、佐賀県を除く全県で過去最高となった。同省初等中等教育局児童生徒課は「今後、さらに、授業料支払いが困難な家庭が増えることを懸念している」としている。
公立高に比べて授業料が3、4倍の私立高生の滞納も増えている。昨年12月に日本私立中学高等学校連合会が全国の1218校(全日制、定時制)で行った調査によると、対象の生徒91万人のうち2・7%に当たる2万4490人が滞納しており、同3月末に比べて滞納者数は約3倍に増加。地域別の滞納率は九州が5・7%で、中国・四国3・3%、近畿2・5%、関東1・6%などに比べて最も高かった。
■鹿児島の状況
県教委によると、県立高の減免率は上昇を続けており、昨年12月末で13・1%(全日制)。措置を受けた生徒は07年度から191人増えて4530人になっている。
不況の影響が教育の現場にもじわじわと押し寄せており、鹿児島市内のある県立高の男性教頭は「昨秋以降、授業料の支払いが遅れる生徒が出てきた」と話す。
一方、私立高も同様に、減免率は上昇中。私立高の生徒は、県立高の月額授業料分9800円(全日制、2008年度)を上限に減免措置を受けられる。県学事法制課によると、07年度は1684人が措置を受け、減免率は11・4%で、06年度比で0・6ポイント高くなった。
県教委と県は近く、県内の各高に減免措置の周知を徹底するよう通知を出すなどして、生活が苦しい生徒、保護者らに制度利用を呼びかける。
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/kagoshima/news/20090219-OYT8T01068.htm