食事の支度などで慌ただしい夕方。そんな時に限って、子どもがぐずったり泣いたりし、手を焼くことは多い。まだ赤ちゃんの場合は、親子でゆったりと過ごせるよう、夕方に家事を集中させない工夫を。
少し大きくなった幼児期には、食事の準備などを手伝わせることで、子どもと楽しく過ごしたい。
横浜市に住む団体職員女性(33)は、長男(3)が生後3か月のころ、「夕方を迎えるのが憂うつだった」と振り返る。食事の用意や片付けなど夫が帰る前に済ませたい家事は山ほどあるのに、夕方になると長男が泣きじゃくるので、用事を中断しなければならなかった。「抱っこしたりおんぶしたりして、必死で家事を続けました」と明かす。
森永乳業の育児電話相談「エンゼル110番」(03・3405・0110)の相談員・為我井圭子さんによると、赤ちゃんが泣き始めたら、まず、〈1〉おむつが汚れていないか〈2〉おなかがすいていないか〈3〉体を痛がったり、かゆがったりしていないか〈4〉暑すぎ、寒すぎはないか——などをチェック。異常が見つからない時は、心配はいらないという。
特に、生後3か月ごろの赤ちゃんが夕方、激しく泣き続ける現象は、「夕暮れ泣き」「たそがれ泣き」などと呼ばれる。原因はよくわかっていない。その月齢を過ぎたとしても、夕方は忙しそうな親の注意を自分に向けさせたがったり、一日の疲れが出て眠くなったりする時間帯で、子どもはぐずりがちだ。
為我井さんは、「夕方は、散歩をしたり一緒に遊んだり、赤ちゃんとじっくりと向き合う時間と考えて」とアドバイスする。気持ちと時間に余裕を作るため、朝や日中に効率よく家事をし、作り置きの料理を活用するなどの工夫を。「ちらかっていても、洗濯物がたまっても、買ってきた総菜を並べても、『一時のこと』と割り切りましょう。完璧を求めないで」
乳児期が過ぎても、夕方のぐずりはある。
東京都文京区の主婦(34)は、夕方になると2歳の息子がまとわりついて困るという。包丁や火を使っている時、ヒヤッとした瞬間は数知れない。「危ないので、英語など教育用のビデオを見せています。もっと良い方法があれば助かるのですが」と話す。
言葉で意思疎通ができるようになれば、逆に夕食作りなどの「お手伝い」をさせるのも一案だ。ベネッセ食育研究所事務局長の脇清美さんは、「時間に余裕がある時に子どもの発達や関心に合わせ、できることから試してみましょう」と話す=別表参照=。
まず、「包丁に触らない」「火に近づかない」など基本ルールを教える。手を洗い、エプロンをして、食材をこぼしそうならシートも敷く。手伝いやすい環境を整えると、親のイライラも少なくて済む。
ただし、子どもは必ず失敗する。脇さんは、「しからずに、『こんな風にしてみよう』と目標をたてる。基本は『よくできたね』と褒めること。自信をつけることが続けるコツです」とアドバイスする。
お手伝いの目安(脇さんの話などを参考に作成)
◆2〜4歳 手で感触を確かめる手伝い——レタスなど葉をちぎる、ビニール袋に入れた肉だねをこねる、味見する、指定された野菜を取ってくる
◆4〜5歳 指先の細かい動きが必要な手伝い——ゆで卵の殻をむく、米をとぐ、ギョーザを包む、野菜を洗う
◆5〜6歳 微妙な力の加減が必要な手伝い——テーブルナイフで切る、卵を割る、食器を洗う、計量する
http://www.yomiuri.co.jp/komachi/news/mixnews/20090220ok01.htm