広島県特産のカキの市場価格が低迷している。生産者は今シーズンのカキは実太りがよいと誇るものの、前年と比べ2割安い市場もある。県や県漁連(広島市西区)は、不況で消費者が買い控えているとみて臨時のキャンペーンを展開。旬のカキの味をPRし、販売促進を図っている。
「今年のカキは実がプリプリで上質。でも値が上がらない」。養殖業者22人が所属する地御前漁協(廿日市市)の黒田勝敏組合長は嘆く。例年、関東や関西の市場に共同出荷しているが、今季の取引価格は前年の2、3割安という。
カキの取引量で広島県産が大半を占める大阪市中央卸売市場は、県産カキの1月の平均取引価格が前年同月に比べ約20%安で推移。今月上旬(1—10日)は1キロ679円となり、前年同期比で23.3%低下した。築地市場(東京)でも取引価格は前年割れで推移している。
【写真説明】広島県産カキをPRするひろしま夢ぷらざの特設コーナー(広島市中区)