岩国市は19日、2009年度当初予算案を発表した。一般会計は586億9100万円で、本年度当初比2.1%減と2年連続マイナスとなった。米軍再編交付金などを子育て支援や防災に重点配分したほか、民間空港再開など大型事業の具体化を目指し、福田良彦市長は「財政健全化を柱に、メリハリをつけて必要な手当てをした。元気な安心・安全予算」と説明した。
再編交付金は約11億円を見込む。中学校給食センター建設、米軍岩国基地周辺への防犯灯設置、防災行政無線整備や生活道改修に配分。引き続き児童医療費無料化などにも充てる。
歳出は、普通建設事業費がし尿処理場など継続の大型事業を終え、本年度当初比24.0%減の50億6700万円。人件費は、職員削減の一方で退職者約60人を見込み、1.7%増の122億3600万円。
歳入は、市税が2.0%減の196億6600万円、地方交付税も1.6%減を見込む。再編交付金など国庫支出金の18.1%増が数少ないプラス要因。財源不足は12億3600万円。貯金に当たる財政調整基金を取り崩し、09年度末残高は約15億円に減る見通し。借金である市債発行は12.1%減の38億7000万円に抑え、同残高は約687億円と旧市のレベルに近付く。