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2009年02月20日(金) 20時56分

総合福祉センターの設計不備中国新聞

 広島市が昨年7月に開設した安佐南区総合福祉センターで設計に不備があり、トイレ内の通路が狭くて電動式車いすや高齢者用スクーターで利用できないことが分かった。市は不満の声を受けて3月末までに部分的に改善はするが、抜本的対策となる大規模改修は「困難」と説明。利用時に手動の車いすに乗り換えてもらう異例の対応を続ける。

 センターは7階建て。1—6階に障害者の利用を想定した多目的トイレがある。しかし、トイレ内の通路は幅120センチで直角のコーナーが2カ所ある。手動式の車いすよりも大きい電動式や、脊髄(せきずい)損傷者用のリクライニング付きの車いす、高齢者用のスクーターなどではうまく曲がれない。オープン直後から苦情が発生し、トイレ利用時の乗り換え用に手動式車いすを4台用意。警備員や職員が介助する。

 市健康福祉企画課によると、公共施設の整備要綱は屋内の通路を幅120センチ以上と規定する。センターでは敷地の狭さなどから実際の利用状況を考えずに通路幅を基準ぎりぎりで設計したという。

【写真説明】電動式車いすで通れない安佐南区総合福祉センターのトイレ内の通路

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn200902200221.html