木工のまち・廿日市市などでつくる市地域産業振興協議会がデンマークに派遣した家具デザイナーの中野麻衣さん(23)=広島市西区=が2カ月半の研修を終え、帰国した。20日午後6時半から廿日市市役所である報告会で、北欧家具の本場で学んだ職人たちのこだわりや技術を伝える。
中野さんは昨年4月、廿日市市に本店を置くマルニ木工に入社した。協議会による派遣研修に応募。昨年10月から、コペンハーゲンで著名なグラフィックデザイン会社のコントラプンクト社を拠点に研修した。同国を代表するデザイナーのハンス・ウェグナー氏のいす作りを手掛ける小さな工房では、感触を頼りに微妙な曲線を削り出す職人たちの丁寧な仕事ぶりに触れた。いすのデザイン事務所では通常ならコンピューターを使う図面を手書きで制作していた場面に触れ、こだわりの姿勢に感銘を受けたという。
帰国し、仕事に戻った中野さんは「現地で学んだデザイナーの心意気や様々な手法を生かし、木工産業の盛り立てに役立てたい」と意気込んでいる。報告会は参加無料。
【写真説明】デンマーク研修中に自らがデザインしたいすを紹介する中野さん