ノースウエスト航空機が乱気流に巻き込まれ多数の負傷者が出た事故で、千葉県成田市消防本部がノース社から「けがは1人」と通報を受けたため、救急車の出動は当初1台だったことが20日、分かった。
同消防本部によると、同日午後0時11分、ノース社の女性スタッフから「乗客1人が頭を打って首が痛いと言っている」と119番があり、現場近くの消防分署から救急車1台が出動。午後0時33分に現場に到着、同41分に機内で複数の負傷者を確認したという。
事態を重く見た現場隊員から消防本部に連絡があり、成田国際空港会社(NAA)にも大型の救急バスの応援を求めたという。
午後1時59分になって周辺の消防本部にも応援要請が行われ、消防車、救急車合わせて17台が出動、約50人が救急活動に当たったという。
成田市消防本部の幹部は「(ノース社から)確たる情報がない状態で、周辺消防に声をかけるわけにはいなかった。航空機事故では負傷者が増えることも想定して動くが、今回の現場は想定以上だった」と話している。