東京都世田谷区にある都営住宅の自治会が敷地内の空き地に無断で駐車場をつくり、計５５万円の料金を徴収したのは違法として、後藤雄一都議が全額の返還を自治会に求めた住民訴訟の判決で、東京地裁は２０日、請求を認めた。
杉原則彦裁判長は「空き地は団地の共用部分で、居住者個人が駐車場として使用できない。自治会側がその利用料相当額を徴収するのは不当利得であり、都に返すべきだ」と指摘。５５万円の返還を自治会側に求めるよう都に命じた。
判決によると、自治会は１９６２−２００７年まで４５年間にわたり、団地の「自主管理委員会」を通して駐車料金を徴収。０７年には、正規の有料駐車場の料金が月額２万８０００円なのに、空き地の駐車場の料金を年額２万５０００円に設定。計５５万円を集めていたが、後藤都議の指摘を受けたため中止した。