東北大の吉田和哉教授らは20日、先月H2Aロケットに相乗りして打ち上げられた同大の観測衛星「雷神」が、地上からの信号に反応しない状態に陥っていると発表した。指示を送る周波数を変えるなどして復旧作業を進めるが、3月上旬ごろから予定していた大気中の発光現象の観測などに影響がありそうだ。
吉田教授らによると、雷神は4日、雷の電磁波受信や、衛星の姿勢を安定させる装置を伸ばした際、装置の影が衛星の太陽電池パネルにできて電力が低下。その後、地上からの信号を受け付けなくなった。
吉田教授は会見で「復旧の可能性は十分にある。最善を尽くす」と話した。雷神は先月23日、温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」の打ち上げで、「まいど1号」などの小型衛星とともに相乗りで打ち上げられた。