各都道府県にある大学医学部や医科大の2008年度の入学者のうち、地元の高校出身者が占める割合は平均35・1%で、5年前の03年度と比べ5・0ポイント増えていたことが20日、文部科学省の調査で分かった。
医師の地域定着を狙い、入試の際、地元から別枠で選考する「地域枠」の設定拡大も背景にあり、31都道府県は03年度から地元出身率の割合が増えた。一方で8県では減少し、地域差も浮かんだ。
地域枠は05年度から増加傾向が強まり、文科省は同枠の学生が卒業する10年度以降、地元で研修医となり、実際に定着するかが、今後のポイントとみている。
調査は医師不足や都市部への偏在といった問題を踏まえ昨年9月に実施。あらかじめ都道府県別の入学枠を設ける自治医大を除く、国公私立医科系78大学を対象とした。
調査結果(5%刻みで分析)によると、地元出身率が最も高かったのは北海道の60−65%で、静岡が50−55%で続いた。愛知、広島など5都県が45−50%だった。