ロシアの連邦政府高官らが希少種の野生のヒツジ「アルガリ」の密猟を行っていた疑惑が、南部アルタイ山脈で起きたヘリコプター墜落事故をきっかけに発覚した。ヘリにはロシア下院大統領全権代表のほか地方政府幹部も同乗。地方政府が中央政府高官に密猟を手引きする“接待”が横行しているとの環境団体の指摘が裏付けられた形だ。
事故は1月に発生し、コソプキン全権代表や大統領府幹部ら7人が死亡。墜落現場に、ロシアで絶滅危惧種に指定され狩猟が禁じられているアルガリの死骸が残されていたことから疑惑が浮上した。
世界自然保護基金(WWF)ロシア支部のアレクセイ・ワイスマン氏(50)によると、ヘリにはロシア南部アルタイ共和国政府で野生生物保護を統括する幹部らも同乗。「地方政府は利権拡大のため、政権中枢との関係を深めようとして密猟を手引きしたのだろう」と指摘する。(モスクワ共同)