東京都が豊洲地区(江東区)への移転を計画している築地市場(中央区)で、場内最大の組合「東京魚市場卸協同組合」(東卸)が20日、理事会を開き、5度目となる投票の結果、移転容認派で伊藤宏之理事長が、反対派で「市場を考える会」代表幹事の山崎治雄理事を破り、再任された。伊藤理事長はこれまで4期理事長を務めている。
これまでの4度の投票では、いずれも15票ずつの同数。今回は伊藤理事長が16票、山崎理事が14票だった。
前回の理事会で、別の理事が移転問題を組合として議論しないことを前提に、伊藤理事長、山崎副理事長とする打開策を提案したが、2人の話し合いは物別れに終わっていた。
伊藤理事長は「移転計画はまだ仮置き。どういう市場にするのか、仲卸店舗の振り分けはどうするのかなど、都に説明を求めたい」などと話し、組合員への勉強会の開催や意向調査も検討する姿勢を示した。