国際宇宙ステーションの日本実験棟「きぼう」で、宇宙放射線の中で細胞の遺伝子の働きを調べる生命科学実験が20日、始まった。
奈良県立医科大の大西武雄教授が提案した実験で、放射線が当たると遺伝子の働きが地上とどう変化するかを調べる。また、理化学研究所の谷田貝文夫特別嘱託研究員が提案した遺伝子損傷の変化を調べる実験も同時に行われる。
約3カ月前に米スペースシャトルで打ち上げた、人の凍結リンパ球細胞を、ステーションに滞在中の外国人宇宙飛行士が解凍。きぼうの細胞培養装置に装着し、宇宙航空研究開発機構筑波宇宙センター(茨城県つくば市)からの指令で37度に加温。1週間培養した後、素早く再凍結する。宇宙滞在に臨む若田光一さんが乗っていくスペースシャトルで来月、地上に持ち帰り、分析する。