【オタワ=黒瀬悦成】オバマ大統領は19日、就任後初の外遊としてカナダの首都オタワを訪問し、ハーパー首相と首脳会談を行った。
大統領は会談後の共同記者会見で、17日に成立した米景気対策法に盛り込まれた「バイ・アメリカン」条項に関連し、首相に「貿易拡大を確約した」と述べた。オバマ政権として、保護主義を排する姿勢を明確に打ち出したものだ。
対米輸出が輸出総額の約75%を占めるカナダは、バイ・アメリカン条項に強い警戒感を示している。大統領は記者会見で、「米国は、保護主義的立場を取っているとの印象をいかなる形でも与えてはならない」と述べ、懸念の払拭(ふっしょく)に努めた。
両首脳はまた、地球温暖化問題への対処に向け、温室効果ガスの排出を減らす技術として期待される「二酸化炭素の回収・貯留」や、省電力を図るための次世代送電網「スマート・グリッド」など、先進技術の開発協力に向け、高官級の「クリーン・エネルギー対話」を数週間中に開始することで合意した。