名古屋税関が今月、名古屋港で麻薬などの原料となる無水酢酸約1トンを押収していたことが20日、分かった。
愛知県内に住むパキスタン人の男が、無許可でアフガニスタンに輸出しようとしていたとみられ、税関が関税法違反の疑いでこの男から聴取。愛知県警も外為法違反などの疑いで捜査している。
名古屋税関によると、今月12日、名古屋港で輸出向けの貨物の中に、ポリタンク約50個に入った無水酢酸計約1トンがあるのを検査中の職員が見つけた。
無水酢酸はヘロインなど麻薬製造に使用されており、無水酢酸を半分以上含む薬品類について輸出入するには国への届けが必要だが、男は届けていなかった。
ヘロインなど麻薬類はアフガニスタンで旧政権タリバンの資金源になっており、国連決議で無水酢酸は同国への輸出が禁止されている。県警は組織的な背景を含め関連を調べている。