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2009年02月20日(金) 03時05分

不況ここまで!ついに「リオのカーニバル」もコスト削減読売新聞

羽根代の値上がりで売り上げが減少しているリオデジャネイロのカーニバル・パーティー専門店=小寺以作撮影
華麗な衣装や踊りで盛り上がる2008年のリオデジャネイロのカーニバル=AP

 【リオデジャネイロ=小寺以作】世界同時不況の影響が、ブラジルのリオデジャネイロで20日に開幕する「リオのカーニバル」にも広がっている。

 収入が減った地元のサンバチームは、山車や衣装の素材にペットボトルを再利用するなど「コスト削減」に懸命。あおりを受けたカーニバル用品店は販売不振にあえぎ、人員カットも余儀なくされている。

 リオのサンバチームは、年間を通じたサンバショーの出演料や市の助成金、スポンサー料などが主な収入源だ。ところが、昨年秋以降は世界的な景気悪化の影響で、多くのチームは興行収入が減少し、助成金も遅延気味になった。このため、サンバチームで最高レベルの「特別グループ」に属するポルト・ダ・ペドラは、今年のカーニバル予算を昨年の300万レアル(約1億2000万円)から250万レアルに削減し、あの手この手でしのいでいる。

 例えば、女性の背中を彩る鳥の羽根は着色した麦わらを代用し、衣装でうろこを表現する部分には、切り取ったペットボトルを使うといった具合だ。他のチームも山車の土台にペットボトルを再利用するなど、独自の工夫を凝らしている。

 一方、こうした節約術でカーニバル用品の販売店は大きな打撃を受けている。大手の「パラシオ・ダス・プルーマス」では、羽根や布地の売上高が例年の半分以下に落ち込み、従業員の3分の2を解雇した。店長のデボラ・ビエイラさん(34)は「カリオカ(リオ市民)は、何があってもカーニバルのお金だけは惜しまないと思っていたのに」と肩を落としている。

http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20090220-OYT1T00147.htm