【リオデジャネイロ=小寺以作】世界同時不況の影響が、ブラジルのリオデジャネイロで20日に開幕する「リオのカーニバル」にも広がっている。
収入が減った地元のサンバチームは、山車や衣装の素材にペットボトルを再利用するなど「コスト削減」に懸命。あおりを受けたカーニバル用品店は販売不振にあえぎ、人員カットも余儀なくされている。
リオのサンバチームは、年間を通じたサンバショーの出演料や市の助成金、スポンサー料などが主な収入源だ。ところが、昨年秋以降は世界的な景気悪化の影響で、多くのチームは興行収入が減少し、助成金も遅延気味になった。このため、サンバチームで最高レベルの「特別グループ」に属するポルト・ダ・ペドラは、今年のカーニバル予算を昨年の300万レアル(約1億2000万円)から250万レアルに削減し、あの手この手でしのいでいる。
例えば、女性の背中を彩る鳥の羽根は着色した麦わらを代用し、衣装でうろこを表現する部分には、切り取ったペットボトルを使うといった具合だ。他のチームも山車の土台にペットボトルを再利用するなど、独自の工夫を凝らしている。
一方、こうした節約術でカーニバル用品の販売店は大きな打撃を受けている。大手の「パラシオ・ダス・プルーマス」では、羽根や布地の売上高が例年の半分以下に落ち込み、従業員の3分の2を解雇した。店長のデボラ・ビエイラさん(34)は「カリオカ(リオ市民)は、何があってもカーニバルのお金だけは惜しまないと思っていたのに」と肩を落としている。