兵庫県宝塚市の墓苑事業をめぐる贈収賄事件で、収賄容疑で逮捕された宝塚市長阪上善秀容疑者(61)が、現金100万円を受け取った後に墓苑造成地の面積拡大を検討するよう市の担当者に指示していたことが20日、関係者の話で分かった。
贈賄容疑で逮捕された西岡栄太郎容疑者(69)が社長を務める経営コンサルタント会社「神戸市湾岸開発」が、造成地周辺の土地を所有していたことも判明。県警は西岡容疑者が阪上容疑者側に造成地拡大などを求め、開発をめぐって利益を得ようとする一方、阪上容疑者もその意向をくんで指示を出した可能性があるとみて調べている。
県警は同日、宝塚市役所を捜索した。
関係者によると、阪上容疑者は2006年5月前後、市の担当者に「面積を広げ、規模を拡大した上で、周辺の自治体も巻き込んで開発すればコストを下げられる」などと提案したという。
西岡容疑者と、同様に贈賄容疑で逮捕された元宝塚市議の井ノ上均容疑者(64)の2人は、墓苑の規模拡大や、コンサル会社の顧客の建設会社が造成工事を受注できるよう求めていたとされる。
調べでは、阪上容疑者は06年4月中旬、市都市整備公社が計画していた「宝塚すみれ墓苑」開発事業をめぐり、便宜を受けたいとの趣旨と知りながら、西岡容疑者らから100万円を受け取った疑い。