日本考古学協会など考古学、歴史学の16研究団体は20日、奈良市の陵墓、佐紀陵山(さきみささぎやま)古墳(日葉酢媛=ひばすひめ=陵)への立ち入り調査を実施した。研究団体の要望に基づき、宮内庁が陵墓や陵墓参考地の調査を許可したのは、昨年2月の同市の五社神(ごさし)古墳(神功皇后陵)に続いて2回目。
佐紀陵山古墳は、4世紀中ごろの前方後円墳で、この日は研究者らが墳丘の最下段を歩き、後円部にあるとされる埴輪や西側の周濠にある島の形をした遺構の状態を観察。風化や後世の改修で、墳丘の大きさが築造当時と比べて変わっていないか確認するのも目的の一つだ。
古墳は江戸時代や大正時代に盗掘に遭った。後に見つかった盗掘品を埋め戻す際に国が調査したため、通常は知られることのない内部の竪穴式石室の状況や鏡、鍬形石など副葬品の様子が比較的明らかになっている。
宮内庁は2007年1月、陵墓と陵墓参考地の管理に関する内規を変更。原則的に陵墓外からの目視だけだった調査について、墳丘最下段への立ち入りを認め、対象を動植物にも広げた。
午後には京都市伏見区の伏見城(桃山陵墓地)も調査。