不妊治療患者の受精卵取り違えを受け、香川県立中央病院(高松市)は20日までに、複数のスタッフによる相互チェック態勢の構築や、培養容器の識別方法の改善などを定めたマニュアルを作成した。
不妊治療マニュアルは以前からあったが、ミスを防ぐための仕組みは含まれていなかった。同病院の松本祐蔵院長は「病院内で徹底し再発防止に努めたい」としている。
マニュアルは一度の作業につき、1人の患者の検体だけを扱うよう規定。今回の男性医師(61)のように作業台に別の患者の受精卵を置いて混同しないよう求めた。また治療のための操作を行う担当者とは別に、ミスがないか確認する担当者を決め、互いに声を出して指さし確認する。
受精卵を培養する容器(シャーレ)には、下皿とふたの両方に氏名やバーコード、色で容易に識別できるシールを張り付ける。不測の問題が起きた場合は、直ちに作業をやめて責任者に報告するなどと定めている。