日本を訪問中の王家瑞・中国共産党対外連絡部長(閣僚級)は20日、1月に北朝鮮を訪問した際に、拉致問題などをめぐる日本側の懸念を北朝鮮側に伝えたことを明らかにした。都内で記者団に「わたしは日本の拉致問題、核問題に対する懸念に留意している。わたしなりの方法で、そうした日本側の懸念を伝達した」と述べた。
金正日総書記の健康状態については、今回会談した際の印象として「以前会った時(昨年1月)と何ら変わりなかった」とし、健康不安説を否定した。
王氏が訪朝時に日朝関係に言及したことを公表したのは初めて。ただ、伝えた相手が総書記かどうかは言及を避けた。北朝鮮側の反応も明らかにしなかった。
王氏は拉致問題をめぐる日朝交渉について「北朝鮮側が『解決済みだ』と言い、日本側が『解決していない』との主張を譲らなければ、問題解決の方法は見つけられない」と指摘し、「新たな解決方法」を双方が模索すべきだとの考えを表明した。