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2009年02月20日(金) 12時24分

旧郵政公社評価の4倍の抵当権 06年売却の都内社宅用地 東京新聞

 旧日本郵政公社が2006年3月に一括売却した都内の社宅用地に、売却直後に公社評価額の約4倍の抵当権がついていたことが20日、衆院総務委員会で明らかになった。この土地の所有権が08年に、オリックスに渡ることになっていたことも判明した。

 取り上げた民主党の松野頼久衆院議員は「適正価格で売却されていない」と日本郵政を厳しく批判。鳩山邦夫総務相は「不当な価格で民間に払い下げられていく実態があるならば、大変な国民に対する背信行為だ」と強調した。

 「かんぽの宿」一括売却に先立ち、郵政公社時代に安く物件が売却されたと疑われる事例が相次いで明らかになっており、野党は国会での追及を強める方針だ。

 登記簿によると、問題の土地は東京都港区の「旧赤坂一号社宅」用地(約1533平方メートル)。公社の事前の評価額は5億1300万円だった。06年3月に都内の不動産会社の関連会社に所有権が移った一方、同年5月に大手都銀など2行が計19億円の抵当権を設定した。08年9月にはオリックスへの所有権移転請求権の仮登記が行われている。

 総務相は「こういうのを錬金術というのか。極めて不可解で不透明だ」と指摘した。

 委員会で、日本郵政の寺崎由起執行役は、この土地が、一括売却物件の一部であることを強調。評価額については「袋小路などの地形を加味して、5億という金額になった」と説明。その上で「一般競争入札の結果であり、適切な価格で売れたと認識している」と述べた。

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2009022001000290.html