日立製作所やパナソニックなどの大手電機の労働組合が19日、4500円の賃上げ要求を柱とする今年の春闘の要求書を相次いで経営側に提出した。日立と三菱電機は定期昇給を見直す事実上の賃下げ提案を示唆、NECは時間外手当の引き下げを提案するなど、経営側は冒頭から厳しい姿勢で臨んだ。3月18日の一斉回答日に向けて行われる労使間の交渉は、難航が必至の情勢だ。
一時金では、業績連動方式を採用していない日立が5・0カ月分、三菱電機が5・83カ月分を求めた。一方、ケンウッドの労組が賃上げ要求をしなかったほか、パイオニアの労組は電機連合が提出期限と掲げていた19日の要求書提出を見送った。
組合の要求に対し、日立の大野健二執行役常務(人材担当)は同日、春闘の方針について「定期昇給ありきの話ではなく、これからも(定期昇給を)続けていくか議論する必要がある」と述べ、事実上の賃下げを提案する考えを示唆した。一時金についても前年実績(4・91カ月)を下回る水準を提案する構え。