【ソウル20日共同】ヒラリー・クリントン米国務長官は20日夜、アジア歴訪の最後の訪問国となる中国に到着した。22日までの滞在中、胡錦濤国家主席らと世界的な経済危機への対処や気候変動問題を話し合うほか、キリスト教会訪問も予定しており、信教の自由や人権問題への積極的な取り組みを中国側に訴える構えだ。
長官は20日、韓国の李明博大統領とソウルで会談。韓国大統領府によると、クリントン長官は「米国の韓国防衛の意思は堅固だともう一度強調したい」と述べ、韓国の安全保障に在韓米軍が関与し続ける方針を確認した。
また李大統領は、経済危機を受けて保護主義が拡大することに懸念を表明。クリントン長官は17日成立の米景気対策法に盛り込まれた「バイ・アメリカン条項」は国際ルールに基づいて適用されることを念頭に「オバマ大統領も保護主義の措置が世界経済に寄与しないという信念を持っている」と語った。
長官は20日午後、ソウル市内の梨花女子大で学生らとの対話集会に出席。北朝鮮脱出住民(脱北者)の女性らを例に挙げ「今回の歴訪で伝えたいことの一つは、米国が女性の権利拡大に尽力していくということだ」と、約2000人の聴衆を前に熱弁を振るった。