【重慶20日共同】ぎりぎりの生活を送る貧困農民を多数抱える中国内陸部の重慶市武隆県当局が、財力のある都市住民と貧困農民を「縁組」させ、農村の生活水準向上を図るというユニークな作戦を実施、20日、同市内で都市住民と農民の双方が出席して記念式典が行われた。
先に豊かになった者が貧しい者を助けるとした故☆小平氏の「先富論」を地でいく活動だが、地元当局だけでは面倒が見切れないために打ち出された“苦肉の策”ともいえ、効果を疑問視する声も出そうだ。
武隆県には1人当たり年収約1000元(約1万4000円)という貧困農民が約1万人おり、今回、このうちの18世帯が重慶市の女性企業家や職業訓練学校校長らと「縁組」。都市住民側は今後、住宅改修や、金融危機の影響で出稼ぎ収入が激減した世帯の子どもの学費負担など、さまざまな支援を行う予定。
ただ、「縁組」して支援する側には企業家ら個人だけでなく重慶市の司法機関や区当局なども入っており、貧困対策重視の姿勢をアピールするための「官製キャンペーン」の色彩も濃い。
(注)☆は登の右に郊のツクリ