【オタワ20日共同】就任後初の外遊でカナダを訪れたオバマ米大統領は19日、ブッシュ前政権下では後手に回った地球温暖化対策などの重要性を訴える一方、厳しいスケジュールの合間を縫って家族へのお土産を買いに出かけるなど庶民性もアピール。実務、スタイルの両面で「新しい米国」を強く印象付け、隣国カナダの市民からも熱狂的な歓迎を受けた。
「いきなり入ってきたんだ。そんな話は聞いてなかったから本当に興奮したよ」。オタワ中心部のクッキー店の店長は、何の予告もなく現れたオバマ氏に感激した様子。カナダのメディアによると、2人の娘へのお土産としてオバマ氏が選んだクッキーは、その後15分間で120個が完売、店長は“オバマ効果”に驚いていた。
首脳会談では、両国間の溝がひときわ深まっていた地球温暖化対策で足並みをそろえるなど、協調姿勢を前面に出した。米軍1万7000人の追加増派を決断したアフガニスタンの安定化では、2011年までの部隊撤退を決めているカナダに対し、新たな要請は一切しなかったと述べるなど、米外交の変化をうかがわせるソフトな対応を見せた。