【ソウル20日共同】アジア歴訪中のヒラリー・クリントン米国務長官は20日午前、韓国の柳明桓外交通商相とソウルで会談した。会談後の共同記者会見で長官は、北朝鮮はこれまでの国連安全保障理事会決議を順守して弾道ミサイル計画を停止すべきだと述べ、長距離弾道ミサイル「テポドン2号」の発射準備に向けた動きをけん制した。
長官はまた、北朝鮮が韓国に対する非難など挑発的な言動を続けているうちは「米国との違った関係」は望めないとして自制を呼び掛けた。柳外交通商相も韓国との対話に無条件で応じるよう要求した。
長官は核検証問題をめぐり停滞する6カ国協議の進展に向けて北朝鮮の歩み寄りを促し、北朝鮮政策担当の特使にスティーブン・ボスワース元駐韓米大使を任命して対応に当たることを明らかにした。
会談後、クリントン長官は李明博大統領とも昼食を共にしながら協議。
一連の会談で韓国側は、両国が2007年4月に締結合意した米韓自由貿易協定(FTA)の早期批准に向けた取り組みを訴える。クリントン長官は17日成立の米景気対策法に盛り込まれた「バイ・アメリカン条項」は国際ルールに基づいて適用されると理解を求め、韓国にも自国経済の安定化に向けたさらなる取り組みを要請する見込み。