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2009年02月20日(金) 10時55分

オバマ米大統領、保護主義を否定 カナダに初外遊東京新聞

 【オタワ19日共同】オバマ米大統領は19日、初外遊先のカナダでハーパー首相と会談し、大型景気対策に盛り込まれた米国製鉄鋼などの購入を義務付ける「バイ・アメリカン条項」について、保護主義につながるものではないと明言した。オバマ氏の外国首脳との直接会談は就任後初めて。

 両首脳はクリーンエネルギー開発を目指す政府間対話の枠組み創設など、地球温暖化防止に向けた協力促進で一致した。

 会談後の記者会見でオバマ氏は、バイ・アメリカン条項に対するカナダなどの懸念は承知しているとした上で「望むのは貿易の縮小でなく拡大だということを首相に確約した。この目的に逆行する条項は景気対策の中に一切ない」と述べ、世界貿易機関(WTO)などの国際ルールを逸脱することはないと強調した。

 ハーパー首相は「自分の利益だけを追求する景気対策を推進すれば世界的な景気後退に拍車が掛かる」と述べ、経済危機が深刻化する中での保護主義の広がりをけん制。「米国が義務を順守し、世界貿易のリーダーであり続けることを確信している」とくぎを刺した。

 クリーンエネルギーの開発では、政府高官による2国間対話を立ち上げ、温室効果ガスの削減につながる技術開発などで協力を模索する。オバマ氏は温暖化防止に向けた他国との連携を早くも打ち出し、ブッシュ前政権時代からの変化を印象付けた。

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2009022001000204.html