【ニューヨーク19日共同】国連で最大の権限を持つ安全保障理事会(15カ国)の改革をめぐり、実質的な議論の場となる政府間交渉が19日、ニューヨークの国連本部で始まった。1946年の安保理発足以来、米、英、フランス、ロシア、中国が常任理事国を独占してきた5大国体制に風穴をあけることができるかが最大の焦点。
常任理入りを悲願とする日本は2005年、安保理拡大を盛り込んだ枠組み決議案提出までこぎ着けながら最終的に挫折。今回、再挑戦に臨む。
03年のイラク戦争前の常任理分裂にみられるように、安保理は機能不全を批判されており、国連内では改革への機運が高まりつつある。
国際協調主義を掲げるオバマ米政権も日本の常任理入りを支持する姿勢を示しており、悲願実現に道が開ける可能性もあるが、常任理拡大に反対するイタリア、韓国などコンセンサス(総意)グループの抵抗は必至だ。
交渉は国連総会の非公式会合として行われ、総会のデスコト議長(ニカラグア)が主導する。議長は第1回交渉に先立ち18日、加盟国に書簡を配布。3−4月に5つの論点ごとに個別協議を行い、その結果を踏まえて5月に第2回交渉を行う方針を表明した。