【ユジノサハリンスク(ロシア極東サハリン州)18日共同=岡村康隆】政府は十八日、麻生太郎首相とメドベージェフ大統領が北方四島の帰属問題に関し「型にはまらない独創的な新たなアプローチ」での解決を目指す方針で一致したことを受け、本格的な領土交渉に向けた調整に着手する。
ロシア側が提案した「独創的なアプローチ」は具体的な内容が明らかになっておらず、政府は交渉過程でロシア側から腹案を引き出す考えだ。
ただ、これまでは「三島の帰属画定」「二島先行論」「面積による等分案」などが浮上するたび、国内の強い反発で挫折した経緯があり、妥協点を見いだすのは容易でない。プーチン首相の五月来日が固まったことから、それまでに具体的な交渉の道筋が付けられるかが焦点となる。
両首脳は天然ガス開発協力について、日本の資源エネルギー庁とロシアのガスプロム社が協議していくことで合意。ロシア側の出入国カード提出要求で中止された日本の北方四島住民に対する人道支援事業に関し、速やかな再開に向け努力することでも一致した。
首相は上海協力機構議長国のロシアが三月に開くアフガニスタンに関する国際会議に日本が参加する意向を伝えた。海洋や陸上の生態保全に関する協力を強化するため、近く日本で専門家によるシンポジウムを開くことも決まった。