青梅市の旧青梅街道沿いにある2商店街(西分町、勝沼)に、昔懐かしい手描きの映画風看板27枚が新たにお目見えした。地元の明星大生が手がけたもので、美空ひばりやマリリン・モンロー、オードリー・ヘプバーンといった往年の銀幕のスターたちが通行人の郷愁を誘っている。
この店舗看板事業は、青梅・奥多摩地域観光まちづくり実行委員会と、同大青梅キャンパスが連携し、2007年度から実施している。総事業費は2年間で720万円。今年度は、同大造形芸術学部の学生約20人が制作にあたった。
今回、金融機関に設置された看板は、映画「二宮尊徳の少年時代」が題材。本を開いてまきを背負って山道を歩く二宮金次郎(尊徳)の姿と、背景には青梅の自然と梅が描かれている。ラーメン店は「七年目の浮気」。左手でスカートを押さえるマリリン・モンローの右手にラーメンの丼を持たせた。
また、すし店は、カジキマグロが跳びはねる様子をデザインした「老人と海」、かじ屋・金物店は、取扱商品にちなんで男優に包丁を持たせた看板で、いずれも若者らしい柔軟な発想と、遊び心いっぱいの作品になっている。
これで、JR青梅駅—東青梅駅周辺の6商店街には、初年度の58枚と合わせて計85枚の看板が掲げられた。
事業の呼びかけ人の一人で、昭和レトロ商品博物館(住江町)の横川秀利館長(73)は「生まれる前の映画を描くのは大変だったと思う。どれも素晴らしい作品で、商業看板と比較して見て歩くのも楽しい」と話している。
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/tokyotama/news/20090218-OYT8T01076.htm