麻生太郎首相は十九日、与党幹事長と官邸で会談し、二〇〇九年度予算案の衆院通過を二十三日からの米国訪問後とする方針を確認した。帰国は二十五日夕の予定で、翌二十六日にも衆院で可決、参院に送付し年度内成立を確実にする考えだ。
与党は当初、「(日米首脳会談で)経済がテーマの一つになる」(公明党の太田昭宏代表)として訪米前の二十三日に衆院を通過させる構えだった。しかし、野党四党が十九日午前の国対委員長会談で、これに反対する方針を確認、展開によっては首相訪米に支障が出かねないことから「安全策」を採った。
首相は与党幹事長、国対委員長との会談で「現下の経済情勢を受け、予算の年度内成立を期すように」と指示しながらも「ワシントンに行くために衆院を通過させなければならないとの考えはみじんもない」との考えを伝えた。
また〇八年度第二次補正予算関連法案に関しても「参院でできるだけ早く議決することが肝要だ。環境づくりに努力してほしい」と要請した。
大島理森国対委員長は会談後、記者団に予算審議について「客観的にみても中川昭一前財務相の問題があり、審議時間も不十分だと判断した」と説明した。
予算案は、野党が参院で抵抗しても参院送付後三十日で自然成立するため、三月二日までに衆院を通過すれば年度内成立が確実になる。