JR西日本は十九日、昨年十一月末で営業運転を終えた初代新幹線「0系」の先頭車両のうち一両を、引き取りを申し出ていた川崎重工業(神戸市)に譲渡すると発表した。この車両は一九八三年に同社が製造。約四半世紀ぶりに“故郷”に帰り、余生を送ることになった。
譲渡されるのは、昨年十二月十四日の「さよなら運転」でも使われた車両。三月中旬にJR西の博多総合車両所(福岡県)から搬出され、川崎重工の兵庫工場で保存される。一般公開はしない方針。
JR西によると、引退した車両は計十八両。ほかに関西地方の自治体から引き取り要望があり、譲渡する方向で手続きを進めているという。残る十六両は順次、解体されている。
0系は一九六四年にデビューし、三千両以上が川崎重工やほかの車両メーカーで造られた。車両は大阪市の交通科学博物館やさいたま市の鉄道博物館など全国各地で保存・展示されている。
【写真説明】神戸市の川崎重工業に譲渡される初代新幹線「0系」の先頭車両=福岡県のJR西日本博多総合車両所(同社提供)