日銀は十九日、金融政策決定会合を開き、企業の資金繰り支援策として、新たに社債を最大一兆円買い入れることを決めた。企業が発行するコマーシャルペーパー(CP)の買い取りなど導入済みの支援策の期限延長も決定。政策金利である無担保コール翌日物金利の誘導目標は現行の年0・1%程度のまま据え置くことを全員一致で決めた。
企業支援策では、期間三カ月の長めの資金を低利で供給する方針も決定。利下げ余地がほぼなくなった翌日物金利ではなく、長め金利を押し下げるよう働き掛ける。
社債の買い取りは、九月末までの時限措置とする。発行企業が倒産すれば損失が生じるため、残存期間一年以内で格付けが「シングルA相当以上」の社債に限定する。
社債などを担保に低利で金融機関に資金供給する公開市場操作「企業金融支援特別オペ」と、CPの買い入れは、いずれも九月末まで延長する。四月末としていたドル資金供給も十月末まで続ける。
日銀が準備預金の超過準備に金利を付ける(付利)制度も十月まで延長することを決めた。
日本政策金融公庫が発行する政府保証付き短期社債を資金供給の担保として認めることも決定。日本公庫が社債で調達した資金は、日本政策投資銀行が企業の資金繰り支援策として行っているCP購入の原資になるため、日銀は購入が円滑に進むよう支援する。
景気の現状判断は「大幅に悪化しており、当面悪化を続ける可能性が高い」との表現を維持した。