周南市八代など西日本各地のツル保護の情報交換会が18日、周南市であった。越冬ヅルが鹿児島県出水市に集中する中、伝染病による全滅を防ぐ国の分散化検討調査事業の一環。中四国、九州から自治体職員や専門家ら約50人が出席した。
環境省の分散候補地に選ばれている周南市と佐賀県伊万里市、近年ツルの飛来が急増している四国の自治体担当者らが事例を発表した。
伊万里市は田んぼを借り上げて餌場を整備。2002—07年度に1578羽が飛来したが越冬数は41羽にとどまった。「縄張り争いが激しく、越冬数が増えない」と訴えた。周南市は、農家が取り組む水田の冬期湛水などを説明。「ツルへの影響を検証する必要がある」とした。四国の専門家は、「西日本一帯で保護する発想がいる」と説いた。
質疑応答では、今季の越冬数が過去最少の周南市の住民から「健康なツルを出水から移送できないか」との声が上がった。
【写真説明】ツル保護活動の充実に向けて周南市などの事例が紹介された情報交換会