衆院予算委員会は十九日午前、「麻生内閣の方針」をめぐり集中審議を行った。麻生太郎首相は、中川昭一前財務相が先進七カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)後にもうろうとした状態で記者会見し引責辞任した問題に関し、自らの任命責任をあらためて認めるとともに「二〇〇九年度予算審議中に担当である財務相が交代に至ったことは誠に申し訳ない」と陳謝した。
その上で「国民生活を守るには、予算の早期成立、実行が不可欠だ」と述べ、年度内の予算成立の必要性を重ねて訴えた。
民主党の菅直人代表代行が、昨年九月の組閣で中川氏を財務相に起用した責任をただしたのに対し、首相は「最近、体調管理に注意していると聞いていたので問題ないと判断した。ただ、閣僚に任命した責任は当然私にある」と述べた。
中川氏の記者会見での失態については「世界的に不安や不信を招いたことは申し訳ない」と重ねて表明。同時に「薬による部分が非常に大きかった。酒がすべてかと言われればそれは少し違っている」と「深酒」が原因との見方を否定した。
小泉純一郎元首相が定額給付金の財源などを確保する〇八年度第二次補正予算関連法案の衆院再議決に欠席する考えを表明したことに関しては「どのような意図か真意を測りかねるが、自民党所属の国会議員である以上、党の方針には従ってほしい」と述べ、出席して賛成するよう求めた。
菅氏のほか、自民党の小島敏男、公明党の池坊保子両氏への答弁。