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2009年02月19日(木) 10時32分

児童ポルノますます悪化、摘発最多の676件…08年読売新聞

 昨年1年間に全国の警察が摘発した児童ポルノ事件は前年比109件増の676件で、2000年に統計を取り始めてから最も多かったことが、警察庁のまとめでわかった。

 昨年11月には、埼玉県警が世界74か国の捜査当局などと連携して、インターネット上で数十万件以上の児童ポルノが交換されていた事件を摘発するなど国際協調も進んでおり、警察庁は、さらに摘発に力を入れる方針。

 同庁によると、昨年1年間に、18歳未満を対象にした児童ポルノ事件での摘発者は412人、被害者は351人で、ともに過去最多だった。被害者の内訳は、高校生は151人で、中学生が134人、小学生は34人など。わいせつ写真を撮影するなど児童ポルノの「製造」が387件と最も多く、児童ポルノ「提供」が129件、「提供目的所持」が97件と続いた。

 ホームページや掲示板などインターネットが利用されたのは254件。ネット上に違法画像が流出すると国境を越えて拡散する恐れがある。このため警察庁は各国の捜査機関との情報交換を本格化させており、昨年11月にはブラジルの捜査機関からの通報をきっかけに、埼玉県警がファイル交換ソフトを通じて児童ポルノ画像を国内外に発信していた会社員の男(37)ら3人を逮捕した。

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 昨年1年間に摘発された児童虐待も前年比7件増の307件と過去最悪で、被害児童319人のうち45人が死亡した。実母による虐待が95件で最も多く、実父85件、養父66件、母の内縁の夫52件の順。福岡市西区で昨年9月、母親(35)が障害を持つ小学1年の長男(当時6歳)を絞殺するなど、育児疲れが動機とみられる事件も目立った。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090219-OYT1T00330.htm